『ねがいを10個かなえましょう』

と。

「はぁ・・・・。」
綾芽は深く溜め息。
「あと、願えるのは、9個・・・。」
(なんでも、何個でも願いをかなえるっていうのは、だめかしら?)

綾芽は少し欲張りなようです。

(人間が、誰もが持つ欲望よ)

それもそうですが・・・・ね?
綾芽もすこし、大人になればいいのですが・・・・。

綾芽はきっと、不幸なのがいやなのでは
ないんですが・・・・。

(私がいやなのは、きっと・・・。)

「花咲ちゃーん?」
後ろから幼い声。振り向くとそこには、
10歳くらいの双子がいました

「びっくりしましたか?ごめんなさいね、綾芽さん。」
「李々、そんな謝らなくてもいいのに、そうだよな、花咲ちゃん!」
双子によると、超突然変異により、一卵性なのに性別が違うらしい。

桜崎咲(サクラザキサキ) 李々(リリ)
桜崎咲(サクラザキサキ) 海人(ウミト)
2人は、10歳らしい。
「“さくらざきさき”なんて、珍しい名前ね。」
「だ・よ・な!俺も、変な名前~っておもうぜ!」
「海人、綾芽さんが言ってるのは“変”じゃなて、“珍しい”よ!」
3人が打ち解けるのに、時間は掛からなかった。
「2人とも、“花咲ちゃん”とか、“綾芽さん”じゃなくて、“綾芽”でいいわ。」
「おう!さっそく綾芽って言うぜーーー!」
「あ、はい!」
「敬語じゃなくてもいいわ。」
「あ、はい・・・、うん!」
3人はなにか、似たものを感じたようです。
「そういえば、綾芽は、何で俺らが名前知ってたのおどろかねんだよ?」
海人は、いいました。
「なれてるからね。」
『なれてる?』
(でた、双子のハモリ・・・・。)
「私は、ここらじゃ、不幸女で有名だわ。」
不幸女とは、自分では認めたくはないけど、
と、綾芽は少し寂しそうに言いました