お兄さんと【完】

さすがはプロ。


奇麗に切り分けられたケーキはあっという間にお皿に盛りつけられた。


「はい、じゃぁあとはごゆっくり。私は家の方にいるから、なにかあったら呼んでちょうだい。」


「あ、ありがとうございます。」


慌ててお礼を言うと、星くんも頭を下げてお店の裏口から出て行く秀くんのお母さんを見送った。


「そんじゃ俺も部屋に戻るから、帰るときはちゃんと呼んでねー。」


秀くんも気を遣ってくれたみたいで、裏口から出て行った。


このお店の裏には秀くんの家があるらしい。


「ビックリしたよ。まさかこんなサプライズをされるとは思ってもいなかったし。」


「喜んでもらえてよかった!なんかちょっと私が思ってた通りにはすすんでくれなかったんだけどね...。」


肝心のハッピーバースデーって言う辺りがね、なんかイマイチ納得いかない。