「私もね、彼はそんなことする人じゃないって信じてるし、きなこちゃんもこっちゃんも心から信じられる親友だと思ってるから、手紙は毎回捨ててたんだよ!」
ファミレスの中は学生や子供連れの母親たちでにぎわっていたから、かずちゃんの声もかき消されるけど、それでもはっきりと声を張って伝えてくれた。
「でも、そのうち私自身が信じられなくなっちゃったの。」
さっきの言葉とは違って、つぶやくようにささやかれた不安な声。
私もこっちゃんも黙って頷きながら聞いていた。
「みんなにとって私はどういう存在なんだろうって。私が一人で舞い上がってるだけで、みんなは私のこと迷惑だと思ってたらどうしようって不安になっちゃった。」
悲しく笑いかけるかずちゃんを見て、私の口は反射的に動いた。
「そんなことないよ!!かずちゃんもこっちゃんも私の1番の友達だもんっ!」
「そうそう。かずさは考え過ぎだって。きなこは子犬みたいにほいほいついていくけど、少なくともうちはちゃんと気兼ねなく付き合えるやつとしか、付き合わねーから。」
こ、子犬みたいにって...こっちゃんの例えが酷いよー。


