ドクン...
心臓が一瞬だけ高鳴って止まったかと思った。
自然と落ちた視線は焦点も合わないまま、膝に広げたお弁当へ。
そんなお弁当を支えていた手に変な力が入る。
こっちゃんの口から伝えられた言葉は、私のことだと確信したから。
普通の人が聞けば、未だ話しか聞いたことのない彼氏がいるかずちゃんだって、その言葉に当てはまる可能性もあるのに、私にその発想はなかった。
それは私がこっちゃんやかずちゃんにちょっと申し訳ないと思いながらも、星くんとの関係を話さずに内緒にしてたからこそ。
いつかはちゃんと言わなきゃと思っていたけど、星くんと私の関係を自分の口以外から知られたことにショックを感じた。
いや、そんなこと言える立場じゃないよね?
だって星くんと付き合ってることを今でも内緒にしてたのは事実だもん。
別にかずちゃんやこっちゃんにやましい気持ちがあって黙ってたわけじゃないけど、こんな形じゃそう思われて軽蔑されるのはむしろ普通のことなのかもしれない。


