お兄さんと【完】

「そんなこと全然ないからっ!!」


むしろ『可愛い』とかぺろっと言うくせに、言った後にちょっとはにかむ星くんが可愛いよ。


あーあ。


こんなんじゃ心臓もたないよ。


「わっ!」


私の指と指の間に滑り込んできた星くんの指。


未だに手を繋がれるのも慣れないなんて...。


でも落ち着くんだよね。


繋いだ手から私のドキドキだけは星くんに伝わりませんように。


「ちょっとは落ち着いた?」


「えっ?あ、そういえばちょっと楽になったかも。」