お兄さんと【完】

ロウソクを持った女の人がゆっくり歩いて、今度は私たちの後方に立つ。


周りにいるお客さんも私たちもその女の人の立つ後ろを見る。


チリーン___


また鈴の音が鳴ったのと同時に、女の人が持っていたロウソクの火を吹き消した。


それと同時に手前から奥へ順番にツリーの明かりがついて行く。


そして最後は一番大きなツリーに。


光が流れるようだった。


光が通路を走って行って、最後に大きなツリーに上って行くみたい。


周りから歓声が上がっているのも聞かずに、私は見とれていた。


私はどこにいるんだろう。


日本にいる気がしない。