お兄さんと【完】

あっ。


灯りのついたロウソクを持った奇麗な女の人が出てきた。


チリーン___


女の人の腕についた鈴の音が耳に入ってきたと思ったら、目の前に大きな光が現れた。


「すごい...。」


圧倒されて上手くことばが出ない。


私の目の前には、大きなガラスケースに入った巨大なシャンデリア。


今この場で明かりがついているのはこのシャンデリアだけなのに、ものすごく明るい。


「奇麗でしょ?今日が点灯式だったんだよ。」


お兄さんの言葉で我に返る私。


そうだっ。


お兄さんに連れてきてもらってるんだった。