「・・・・・・き、いろ・・・・」
「・・・・・凱那さん。」
グイッ
「―――っ」
急に腕を引っ張られ、人気のない路地裏に連れていかれる。
え・・・・・・な、何、何!?
突然の事に頭がついていかない。
ただ分かるのは、希彩の手がさっきと違い痛いくらい強く私の手を握っていると言うこと。
言い様のない恐怖が、心の中を急激に渦巻き始めた。
「・・・・・・っ・・・・!」
訳も分からない内に、路地裏に連れてこられ、壁に押し付けられる。
痛くはなかったが、体と両手が強く壁に縫い付けられた。
目の前には、感情の読めない薄茶色の瞳。
ただ私だけを射止めている。
ドクン
――――怖い。
こんな希彩・・・・知らない。
心臓の音が、すぐ近くにあるみたいに煩く聞こえる。
こんな希彩・・・・・・知らないよ。
捕まれている手首が、縫い止められている体が、震え始める。
「・・・・・・きい、ろ?なに・・・・・・・」
やっぱり、怒ってるの?
何か、言ってよ―――。
ただ希彩は黙ったまま、私を見つめている。
怖い
怖い
「・・・・・・希彩・・・・っ。」
痛いほどの沈黙に耐えきれず、私は捕まれている手首から逃れようともがいてみる。
だけど
「い・・・・・!」
ギリッと更に強く手首を握られた。
本当に分からない。
希彩は何を考えてるの?
