病み系男子



「・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」



・・・・・・・・き、気まずい・・・・・・・・!!!

さっきから一言も口を開かない希彩。
こちらを見ようともしない。
だけど私の手をしっかりと握りながら、ただ歩みだけを進めていく。


「・・・・あ、あの、希彩・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・。」

呼び掛けても応答はなく、ただ私の声だけが冷たい風の中に溶けていった。


「・・・・・・・・。」


・・・・・・・こんな希彩、初めてだ。


正直私はこの状況を、どうすれば良いのか分からない。

希彩は怒ってるのか、呆れてるのか


それすらも、分からない。


急に希彩が遠くなったように感じて、私は唯一私と希彩が繋がれている手に視線を落とした。

私の手は、さっきまで店の中にいたからか温かい。
でも希彩の手は、とても冷たくて、徐々に私の手も温かさが奪われ冷たくなっていくのを感じた。

・・・・・・それが、拒絶されているように感じるなんて、馬鹿みたい。

だけど今の私にはそう思えて仕方ない。

手を、しっかりと握っているのに、それが希彩じゃないみたい。

もっと遠くに希彩を感じてしまう。


私の心の中は、不安で不安で、今にも泣き出しそうな空の色と同じだった。