病み系男子


ふ、と夢咲の雰囲気が、少し冷たく変わったように感じた。


「・・・・・どういう意味よ。」

その事に若干の違和感を覚えるが、それよりも、先程の言葉の意味を改めて聞いてみる。


「そのまんまの意味だけど?」


「・・・・・でも、少ないって言ったって私よりは知ってるでしょ?やっぱ家族だし。」


家族


そう言った瞬間、夢咲の眉間に皺が寄り目付きも鋭くなる。

今度は間違いなく冷たい雰囲気を纏っていた。



「・・・・・・あんな奴、家族じゃない。」


「・・・・・・・家族じゃない?」

それが事実ではなく、揶揄だと言うのは分かった。

でも、ここまで憎悪感を押し出す意味が分からない。


「・・・・・・何か、あったの?」

そう言えば希彩も、大会で夢咲と会ったとき、すごく焦燥してたな・・・・。

・・・・・・この二人の間に、何が・・・・・


すると夢咲は、見開いた目を何度も瞬かせる。


「・・・・・・本当に?」


「え?」


「・・・・・・母親を話に出した時も無反応だったし・・・・・。凱那さん、本当に覚えてないんだ?」


言われている言葉の意味が分からない。

でも、頭の何処かが警鐘を鳴らし始める。

―――――いけない。

何かが・・・・・!


「・・・・・・・なん、の・・・事よ?」

心臓の音がやけに近くに聞こえ、煩く響いた。


「・・・・・・・・そっか・・・。うん、良いよ。教えてあげる。」


何かの箱を開けてしまいそうな気がする。

早く強く打ち始める心音と、背筋を這い寄る何かに冷や汗が止まらない。


まるで、私が以前から彼等を知っているような言い方・・・・・・

―――・・・・・・・・・・・・・・・・・

知っている・・・・・・・?


「え・・・・・、え・・・・?」


「・・・・・凱那さん?」


―――――怖い。


怖い、怖い怖い・・・・・・!!

「・・・・・・・・きい、ろ・・・・・・・・・・・・っ!!」