―――――あれよあれよと緋美の勢いに流されて


「・・・・・・く、クリスマスに、デート・・・・ですか?」

私は今、車の前で待っていてくれた希彩に、強制的に決まったデートの提案中。


「・・・・・・・・うん。」



キョトン

パチ、パチ


「・・・・・・・そ、そそそれは、初・・・・デート、のおさ、お誘い・・ですか・・・・・・?」


「・・・・・・・に、なるのかな?」


希彩はパチパチと何度も瞬きをして、上を向いたり後ろを向いたりと挙動不審になったあと



「・・・・・・・え、え、あ、・・・・・・う・・・・」



カアアアッ!と火が出そうな勢いで顔を真っ赤に逆上せ上げた。


「は・・・・!?」


そして驚いて固まる私を前に、希彩は携帯を勢いよく出すと、素早く何かを打ち始める。


「ととと凱那さんからの、は、初めてのお誘い、凱那さんからの初めてのお誘い初めてのお誘い初めてのお誘い初めてのお誘いお誘いお誘いお誘いお誘い凱那さんからのお誘いお誘いお誘いお誘い・・・・!」


カチカチカチカチ



「な、何して・・・・」


「12月16日金曜日15時22分19秒、凱那さんから初めて初デートについてのお誘いを受けました記念日・・・・!」





「登録完了です!」



まるで一仕事終えたとでも言わんばかりに満足げな顔で、希彩は大きく息をついた。


「・・・・・・・いや、何してんのよ。」


「クリスマスですか・・・。と言うことは25日・・・・分かりました、何とか空けておきますね!」