「――――ベスト8おめでとう、凱那!」

「あ、ありがとう、緋美。」


いろいろと目まぐるしく過ぎた土日もとい秋季大会も終わり、週が明けて早々緋美に熱烈な抱擁をされる。


なんか、緋美に会うのは凄く久しぶりな感じ・・・・。


「で?昨日、彼氏見に来てくれたんでしょ?」

早速緋美は、この土日に起こったことを聞き出そうと目を輝かせている。


「うん、まあ・・・。」


「良いなあ~!社会人なのに、休みも省みずって素敵じゃん!」


緋美の言葉に、なるほど、と内心頷いた。


そうだ。希彩は社会人で、ただでさえ病院の院長なんて休みが少ない筈。

その中の貴重な一日を私の応援にくれたんだ。


・・・・・・うわ、何か私、最悪じゃない?


希彩はこんなに私に尽くしてくれてるのに・・・・


私、一度もまともにお礼とか返したことがない。


「・・・・・・・。」


これは由々しき事態だぞ、茲重 凱那・・・!

彼は確かに私より三つも年上の大人だけど、私はそれに甘えることなく対等な関係を望んでいる。

もちろん、奉仕されるだけでは後でそれを逆手にとられるかもしれない。

でもこの間みたいに、彼ばかりが私のことを何でも知っていて、私は希彩について何も知らないのが単純に不公平で嫌だとも思う。


とにかく、平等に、公平に!

それが一番無駄がなく、安全に付き合える方法だろう。


「・・・・・凱那?」


・・・・・・・・よし、決めたぞ。

これからは私が希彩に尽くすことにしよう!