病み系男子



――――――また、だ。


目の前には、彼がいて

・・・・壊れかけた柵の外にいる。



腕を伸ばす。


白い、病院服に包まれた腕。


――――――病院?


私は、何でこの服を着てるんだっけ?


此処は、病院・・・・・・・?



すると急に画面が変わって、私は公園にいた。



――――――懐かしいな。ここにいたら、いつも見つけてくれた。



―――――誰かが、呼んでる。

顔がぼやけてよく見えないけど、公園から道路を挟んだ向こう側で誰かが私を呼んでいる。

私は笑顔を綻ばせて、立ち上がった。


地を足が蹴る。


彼だけを見つめながら走った。


だけど、その彼の表情が急に強張って



「――――!!!」


そう叫ぶと、此方に向かって走ってくる。


「―――!」


手を伸ばしてきたから、私も手を伸ばそうとした瞬間


耳をつんざく音がして、世界の時間が止まった。



目の前には、黒い―――――――





視界がぶれて、真っ暗になった。