「・・・おはよー。」
「はよ・・・って、凱那(ときな)。朝から女子高生にあるまじき顔になってるよ。」
「マジで。」
「うん。またストーカーっぽいの?」
「~~~~聞いてよ、緋美(あけみ)~~~・・・」
鞄を乱雑に机に投げて、親友の緋美の元に駆け寄る。
そして昨日のことを話始めた。
―――昨日、また視線を感じて気味が悪くなったから、急いで家に帰った。
玄関の鍵を閉めて、靴を脱いだ瞬間、私の鞄にある携帯が鳴り出して
見てみたら「非通知」と出ている。
でもメールだったので私は中を開けた。
今思えば、なんて軽率だったのかと後悔している。
――――――――――
初めまして、突然すみません。
そんなに怯えなくても、僕はいつも貴方の傍にいるから何も心配いりませんよ。
大丈夫です、安心してください。
――――――――――
思わず携帯を投げ出しそうになった。
震える体を押さえすぐにメールを消去したが、また「非通知」のメール。
今までは視線だけだったのに、ついに向こうに私との接点を見つけられたんだと愕然とした。
何度も何度も、携帯を操作する間もなく「非通知」のメールが私の携帯に流れ込んでくる。
初めて、心から恐怖を感じた。
「・・・・・で、メールは夜中の2時くらいまで連続でずっと来るし、2時以降も一時間おきくらいで今朝までずっと来てたの。」