十五の石の物語

「それで…その案内人とやらはどこにいるのです?」

「私がその案内人です。」

「……ほぅ…では、あなたはこの森にお詳しいのですね。」

「そう言えるでしょうね。」

「案内をお願い出来ますか?」

「それは構いませんが、なぜあなた方はこの森へ?」

「それは……」

答えようとしても、一体なぜこの森の中へ来たのかが私にはまるで思い出せなかった。



(私達は……『私達』?
…そうだ、私には連れが……サリー…!
サリーはどうなったんだ?!)



「あ!…あの、連れの女性は無事でしょうか?」

「ご安心下さい…あの方なら隣の部屋で眠っておいでですよ。」

「良かった……」

ホッとした瞬間、私は強い眠気に襲われた。



*



私は何かわからないが、とても良い匂いで目を覚ました。



「お目覚めですね?起きられますか?」

昨日の男に声をかけられ、私はゆっくりと上体を起こす。
めまいもおさまり、もうほとんど元の体調に戻ってるように感じられた。
そして、今ひどく空腹だということも実感した。

私は案内人に連れられ、ゆっくりと食堂へ向かう。
そこには温かい湯気を放つスープとパンとサラダのようなものが用意されていた。



「お口にあえば良いのですが…なにぶん、普通の人間の食事を作るのは滅多にないことなので…」



(また「普通の人間」か…)

この男がおかしな事をいうのは、これで二度目だった。
そのことに小さな不快感を感じながら、私は食卓に着いた。
そこにサリーの姿はない。



「連れの女性はどこへ?」

「あの方は、まだ眠ったままなのです。」



(まだ眠ったままだと…?)

私は心配になり、サリーの様子を見たいと案内人に頼んだ。