十五の石の物語





一ヶ月もすると、私の体調はもうほとんど元の状態までに回復していた。



「それで、ヴェールはもうそのまま西の村で彼らと暮らすのか…?」

「…それが…」

サリーは、困ったような顔をして言葉を濁した。
そのことについてはサリーは、ヴェールから何も聞いていないようだった。
しかし、考えてみればヴェールがここに帰って来る必要はない。
私はもう助かったのだし、彼は森の民の長だ。
これからは、村を守っていく立場にある。
森の民もヴェールのことを必要としているだろうし、それに私ももう魔石とは縁が切れたのだから、旅を続ける必要がないのだから。



「レヴ…
あんたはこれからどうするんだい?」

「私か…?
私は……」

サリーに問われ、これからのことを全く考えていなかったことに私は改めて気が付いた。
今となってはもうあの宝石商の老人を探す意味もない。



(そもそもあの老人は実在の人物だったのか…
それとも……!?)



「……そうだな…
では、まずは森の民にお礼を言いに行くか…」

「そうだね!
それは良いかもしれないね…!
あ…でも、ジネットはどうする?」

確かに、その問題があった。
ジネットを一人にするのは申し訳ないと思ったが、私達にはもう旅をする理由がない。



「……ジネットさんを一緒に連れて行くわけにはいかないし…
私達ももう旅を続けることはなくなったのだ。
ジネットさんにはそう言って分かれてもらうしかないだろうな…」

「そうだね…
かわいそうだけど、そうするしかないよね…
じゃ、いつ出発する?
体調は本当に大丈夫かい?」

「あぁ、私ならもうすっかり大丈夫だ。
そうだ…
ジネットさんには大変お世話になったことだし、彼女になにか贈り物をしよう。
私は何が良いのかよくわからないから、君が見たててくれるか?」

「良いよ!
じゃ、明日、町に行ってみよう!」







次の朝、私達はジネットへの贈り物を探しに町にでかけたが、小さな町のせいか、これといったものがなかなかみつからない。



「だめだねぇ…
ジネットに似合そうなものは何も売ってないね…」

「そうだな…少し大きな町にでもいかなくてはだめかもしれんな…」

宿に戻ると、そこにはヴェールの姿があった。