「レヴ…これからどこに行くつもりなんだい?」

「……多分、十字架のある所…だな…」

「え?それってどこ…?」

「………それは…わからん。」

西の塔の魔女に言われるままに出発はしたものの、私達の行き先には「十字架」というごく抽象的なヒントだけしかなく、しかも、あたりはまっ暗な闇に包まれている。



(こんな事なら、もう一晩泊めてもらって翌朝出発した方が良かった。
かといって、引き返して「明日、出発しますから、もう一晩泊めて下さい」なんて言うのもなんだかみっともない。
……どうしたものか…)

「レヴ!聞いてんの!?」

サリーの大きな声で私は我に返った。



「……あ…今、少し考え事を…何か言ったか…?」

「もぅ〜!やっぱり聞いてないっ!」

「……すまない…」

「今度はちゃんと聞いてよね!
いいかい?ここから先はもうあんまり民家もないと思うし、先には森があるから今夜はあんまり進まない方が良いんじゃないかい?」

「そうなのか…では、今夜はこのあたりで宿を探すとしよう。」