十五の石の物語





「あそこだよ!」

さすがに初日程のペースでは進めなかったものの、傷心のネリーも健気に旅を続け、三人はようやく星の町に辿り着いた。







「レヴさん…どうか死なないで……
お願いです……目を覚まして下さい……」

ジネットに出来ることはもう祈ることしかなかった。
レヴの眠るベッドの傍らで、ジネットは泣きはらした目をしてずっと祈り続ける。



その時、おもむろに扉が開き、ヴェールとサリー、そして一人の見知らぬ女性が姿を現した。



「ヴェールさん!サリーさん!
レヴさんが!!」

医師ではない三人にも、レヴがいかに危険な状態なのかは一目でわかった。

レヴの命の灯は、今、まさに消えようとしている。

時は一刻を争う状況だった。



「ジネットさん、お医者様をお連れしましたから、レヴさんはもう大丈夫です。
あなたは休んで下さい。」

「でも、私は……」

「さぁ、ジネット…部屋へ行こう。
心配かけてすまなかったね。」

ジネットの手を取り、半ば強制的に、サリーはジネットを別の部屋へ連れていった。



「ネリーさん、これなのです!」

ヴェールはすっかり痩せ細ったレヴの腕を毛布から引き出した。
痩せこけているというのに、アマゾナイトの指輪はレヴの指にしっかりと取り付いていた。

ネリーは恐る恐るレヴの指輪に手を伸ばす。
指輪に触れた瞬間、ネリーの顔色は一気に青ざめ、ぶるぶると全身が震え出した。



「ネリーさん、だ、大丈夫ですか?!」

「……ええ、だ…大丈夫です…」

ネリーの顔には玉のような油汗を滲み出し、苦しみに耐えるように歯を食い縛り指輪を強く握り締める。
何が起きているかはわからないまでも、ネリーの身体から発せられる尋常ではない緊迫感に押し潰されそうになりながら、ヴェールは食い入るようにネリーの手元をみつめ続けた。


長いのか短いのかもわからない時が過ぎ……

アマゾナイトの指輪が、するりとレヴの指を離れた。


「……ゆ、指輪が…!!」

しかも、その石は一瞬にして、元の美しさを取り戻していた。
思わず声を上げ、ヴェールが腰を抜かしそうになった所へ、唐突にサリーが戻った。



「サ、サリーさん!!
指輪が……たった今、指輪がはずれました…!
レヴさんの指輪が、はずれたのです…!!」