十五の石の物語

「私がそばにいてあげられたら…少しは何か出来たかもしれないのに……」

今夜は一人にしておいてほしいと言うネリーに、心配ではあったがヴェールとサリーは素直にその言葉に従った。



(……お可哀想に…
あのまま、何も思い出さなければ、ネリーさんもあんなに傷付かれることはなかったのに……)

ネリーの心情を思うと、ヴェールは溢れ出す涙を止められなかった。







次の朝、ネリーの瞼は腫れ、瞳は赤くなってはいたが、気丈にも明るく振舞った。



「早く、レヴさんの所へ行かなければ…!
今日も頑張っていきましょうね!」

しかし、その言葉とは裏腹に、昨日と比べ、ネリーの足取りはずっと重かった。
昨日の道程の半分程しか進めなかったが、森の民は人間よりもずっと心が傷つきやすく、心の傷だけで死んでしまうことも少なくないということ知っていたから、無理はさせられない。
レヴのことは気になるが、ここでネリーに何事かあったら元も子もなくなってしまうのだ。

サリーとヴェールは焦る気持ちを押さえながら、ネリーに気遣い、慎重に旅を続けた。