十五の石の物語

「初めての事だから無理もないわ。
私も先程はどうなることかと思いましたもの。
それほどまでにサリーさんの想いの力は強かったのです。
だけど……そのおかげで、記憶をなくしてから今まで眠っていた私の力が目覚めることが出来ました。
まだ完全ではないけれど、もう何日かすればきっとうまくコントロール出来るようになると思います。」

「では、先程のものは……あれは、サリーさんの想いだったというのですか?」

ネリーはヴェールをみつめ、ゆっくりと頷く。



「その通りです。
レヴさんを助けたいというサリーさんのとても強い想いだったのです。
あなたはそれを感じたのよ。
あまりにも強い想いだったから、あなたは驚きと恐怖で意識を失ってしまったの。
でも、心配はいらないわ。そのうちに、その力をコントロールすることが出来るようになるでしょう。
まずは、石の声に心を向けること。
そうすることで、その石の言いたいことがわかってきます。
すぐには無理かもしれないけど、あなたの中には私以上の大きな力が眠っていると思います。
必ずそれが目覚める時が来ると思いますよ。」

「……あれが、サリーさんの想い……」

ヴェールはぼんやりとした視線を宙に浮かし、まるで独り言のように呟く。
あまりの衝撃に、ヴェールはまだ混乱から覚めきれないでいた。



(私に本当にそんな力が…?)

ヴェールにはすぐには信じられない話ではあったが、先程の体験は何かを予感させるものでもあった。
そして、何よりもネリーの力が戻ったことでレヴの助かる可能性が出てきたように思え、ヴェールとサリーの心に希望の光が灯った。