「時間通りですね。」
婦人の言葉に私はハッとした。
「もしや、あなたは……」
「気が付いたようですね。……そう…私が西の塔の魔女と呼ばれる者です。」
「えっ!?おばあちゃんが、西の塔の魔女なの?」
「あら……がっかりさせたかしら?
最近、私はこの姿が気にいっているのよ。」
西の塔の魔女は、口許に手を添え、おかしそうに笑う。
(「最近は」ということは、いつでも好きな姿になれるということなのか…?)
「その通りです。」
「えっ!?」
「あら、ごめんなさい。
私にはあなたの心の声が口からだす声と同じように聞こえてしまうのです。」
「そうなのですか……」
私は驚きよりも不快感の方を強く感じた。
心の中を勝手にのぞかれるなんて、いやな気分だ。
だが、今のことで、この婦人は常人には考えられないようなすごい力を持っているはよくわかった。
この女性は、胡散臭いただの占い師等ではない。
「ならば、サリーが感じた危険なものの正体もあなたにはわかっているのですね。」
「……それが……」
西の塔の魔女は口ごもり、急に表情を曇らせた。
「私もこんなことは初めてなのですが……」
酷く戸惑ったような表情で西の塔の魔女は話を続けた。
「あなたの周りにはたくさんの宝石達が見えています。
あなたはこの先も数多くの宝石達と出会うことになるでしょう。
しかし、それがなぜなのか……
それにどんな意味があるのか…
黒い霞が……払っても払ってもそこから先を覆いつくして隠してしまうのです。」
「あなたの力をもってしても、見えないのですか?」
「そうなのです。サリー、あなたもおそらく私と同じものを見たはずです。
まるで生きもののようなどす黒い邪悪な霞を……」
「見ました!
あんな気味の悪いものは初めてで、とても私の手におえるものではないとわかりました。
それであなたのお力をお借りしようと思ったのです。
あなたなら、きっとなんとかして下さると…」
「……ごめんなさいね。お力になれなくて……
でも、あなた方が次に行くべき場所はわかりました。」
婦人の言葉に私はハッとした。
「もしや、あなたは……」
「気が付いたようですね。……そう…私が西の塔の魔女と呼ばれる者です。」
「えっ!?おばあちゃんが、西の塔の魔女なの?」
「あら……がっかりさせたかしら?
最近、私はこの姿が気にいっているのよ。」
西の塔の魔女は、口許に手を添え、おかしそうに笑う。
(「最近は」ということは、いつでも好きな姿になれるということなのか…?)
「その通りです。」
「えっ!?」
「あら、ごめんなさい。
私にはあなたの心の声が口からだす声と同じように聞こえてしまうのです。」
「そうなのですか……」
私は驚きよりも不快感の方を強く感じた。
心の中を勝手にのぞかれるなんて、いやな気分だ。
だが、今のことで、この婦人は常人には考えられないようなすごい力を持っているはよくわかった。
この女性は、胡散臭いただの占い師等ではない。
「ならば、サリーが感じた危険なものの正体もあなたにはわかっているのですね。」
「……それが……」
西の塔の魔女は口ごもり、急に表情を曇らせた。
「私もこんなことは初めてなのですが……」
酷く戸惑ったような表情で西の塔の魔女は話を続けた。
「あなたの周りにはたくさんの宝石達が見えています。
あなたはこの先も数多くの宝石達と出会うことになるでしょう。
しかし、それがなぜなのか……
それにどんな意味があるのか…
黒い霞が……払っても払ってもそこから先を覆いつくして隠してしまうのです。」
「あなたの力をもってしても、見えないのですか?」
「そうなのです。サリー、あなたもおそらく私と同じものを見たはずです。
まるで生きもののようなどす黒い邪悪な霞を……」
「見ました!
あんな気味の悪いものは初めてで、とても私の手におえるものではないとわかりました。
それであなたのお力をお借りしようと思ったのです。
あなたなら、きっとなんとかして下さると…」
「……ごめんなさいね。お力になれなくて……
でも、あなた方が次に行くべき場所はわかりました。」



