身体がそのままゆっくりと沈みこんでいった…
深い深い水の中へ…

少しずつ…少しずつ…

もう疲れも感じない…
……とても満たされた気分だ…






良かった…










(……ここは……!?)



「あら、レヴさん……やっと気がついたのね!」

「…………あなたは…!」

夢から覚めた私の目に映ったのは、あの西の塔の魔女だった。



「おひさしぶりね…」

そう言いながら、西の塔の魔女は私の顔の汗をそっと拭ってくれた。



「ご気分はいかが?
ようやく熱も下がったみたいね。」

私の疲労感は大きかったが、気分はそれ程悪くはなかった。



「はい。気分は悪くありません。
しかし、なぜあなたがここへ?」

「それはまた後で……
今は身体の回復だけをお考えなさい。」

「……はい。」



目が覚めてからの私は、順調過ぎる程順調に回復していった。
翌日には食欲も感じるようになり、食べられるようになるにつれ、私の身体はどんどん元の体力を取り戻していく。

この間、私の身の周りの世話をしていたのは西の塔の魔女だった。
三日程経った頃、私の元にジネットが現れたが、酷くやつれた様子でほとんど話もせずに立ち去ってしまった。
サリーとヴェールはまだ一度も姿を見せてはいない。
私が西の塔の魔女に二人のことを尋ねると「あなたは、そんなことを気にかけるより、ご自分の身体のことを考えるべきよ。」と。
……ただ、そんなことを言われるばかりだった。