十五の石の物語

「レヴさん!サリーさん、こっちへ!」

各々が部屋の中を見てまわっている時、ヴェールの声が飛んだ。

声の元へ急ぐと、その壁にはこの屋敷の住人と思われる者の肖像画が飾られていた。



「……これは…!」

額縁の中で微笑む美しい女性に、私達は見覚えがあった。



「これはネリーさんではないか!」

「その通りです。
若い頃のネリーさんに間違いありません。」



(……若い頃…?)

言われてみれば、わずかに違うような気もする…
ヴェールも細かい所に気が付くものだと感心した。



「ってことは、ここはネリーさんの家なのかな!?
じゃ、この人は誰なんだろう?
旦那さんなのかな?
それともお兄さん?」

ネリーの肖像画の隣には、若いが威厳に満ちた端正な顔立ちの男性の肖像画がかけられてあった。



「おそらく、ご主人なのではないでしょうか。」

「じゃ、この人、今もネリーのことを探してるかもしれないね。
でも、ネリーは旦那さんのこともすっかり忘れてるみたいだったよね。」

「そうだな……これは早くに知らせてあげたいものだな。」

「そのためにも、早く森の民をみつけなきゃ!
残念ながらここは違ったけど、そのおかげで北の村か西の村にいるってことがわかったんだ。
もうすぐみつけられるよね!」

「その通りですね。
確率が三分の一から、二分の一にあがったんですから、喜ぶべきことですよね!」

意外に元気なヴェールの言葉に私はほっとした。



(以前の彼なら、もっとずっと落ち込んでいたことだろうに…
これもあの青きカイヤナイトのおかげなのか…)