十五の石の物語

「今日はついに満月だね。
夜までに何かすることある?」

「いや、特にはないが……」

「それは助かった!
じゃ、あたしはしばらく眠らせてもらうよ!」

そういうと、サリーは朝食を食べた後、ごろんと横になり、そのまま本当に眠ってしまった。



「……うらやましい限りだな。
こんなに陽が高くても眠れるとは……」

「レヴさん……もしかしたらサリーさんは、一晩中、星の石を探されていたのではないでしょうか?」

「一晩中?……なぜだ?」

「それはわかりませんが……」

「あの石が本当に星の石かどうかもわからない。
そもそも、ここに本当に星の石があったかどうかさえわからぬのだぞ。
そんなものをなぜそんなに必死に探す?」

「……そうですね。
ただ、ランプの油がなくなっていたのでそう思っただけなのです。」



(サリーは一晩中、何をしていたというのだろう?
まさか、ヴェールの言うように星の石を探していたというのか…?
だとしたら、一体、何のために…??)

それは、どう考えてもおかしなことだった。
サリーは確かに今までも採掘場で石を探し集めていたことはあったが、それにしたって一晩中なんてことはなかった。
星の石にはなにか特別な関心があるとでもいうのか?


私とヴェールは、サリーの睡眠の邪魔をしないようにと少し離れた場所をゆっくりと散策した。



「明るいうちは夜光石はまるでわからんものだな……」

「本当ですね。この中にももしかしたら夜光石があるのかもしれませんが、まったくわかりませんね。」

「つくづく不思議な石だな…
満月の夜にしか光らないとはな……」

私は、足元に転がる石に目を遣りながら、小さな声で呟いた。



「今夜は光ってくれるんでしょうか……」

「……そうだと良いがな。
ヴェール……もし、彼らに出会えたらどうする?」

「どうする……ですか?」

「いや…愚問だった。
今度こそ会えると良いな……」

「……そうですね。」

ヴェールは、沈み行く夕陽をみつめながら、静かに頷いた。