十五の石の物語

(……旅が終わるまでに、私の身に何かが起きるかもしれない…だから、今のうちに……)

私はその想いも口には出さなかった。



「……すまなかったな。
愛の町でその生地をみかけてな。
ふと、君に似合うのではないかと思っただけなのだ…」

「本当にあんたはセンスないんだから!
あたしがコスモスなんて柄じゃないだろ!」

「……すまなかった…気に入らなかったら捨ててくれ。」

「捨てるなんてもったいない!
大きな町にいったら、高くで売ってやるよ!」

「……好きにしてくれ」

「サリーさん…」

その場に重苦しい空気が流れた。
サリーはドレスをまた綺麗に畳んで包み直し、自分のバッグにしまいこんだ。
私も正直言ってここまでこっぴどく言われるとは思ってなかった。
それ程、気に入らなかったのか……