十五の石の物語

「すまなかったな。私のせいで時間をとらせてしまった…」

「大丈夫ですよ。
幸い、光の途へはそんなに遠くありません。
それにここから先は、そんなに険しい道でもなさそうですよ。」

「そうか…それなら気が楽だ。
私のせいで満月の夜に遅れたら取り返しのつかないところだった。」

「相変わらずあんたは馬鹿だね!
遅れたら、また次の満月の夜まで一ヶ月待てば良いだけの話じゃないか。
焦ることなんてないさ。
具合いが悪いなら、早めに言いなよ!
あんたみたいにでっかいのが倒れたら、山から降ろすだけでも大変なんだからね!」

「…わかった…」

口では憎たらしいことを言いつつも、サリーが私のことを心配してくれる気持ちは十分にわかっていた。



(……もしや、サリーも感じているのか?
これが魔石の影響なのではないかと言うことを……)



しかし、私はそれを口に出すことはやめた。
口に出せば本当にそうなってしまうかもしれない…
そんな根拠のない不安があったからだ。
それに、二人にも心配をかけてしまう。