「ねぇ、星の町って…なんでそんな風に呼ばれてるのかな?」

「そうだな…何かいわれがあるんだろうな…」

「たとえば、星が綺麗に見えるとか…?」

「星型のなにかがあるんでしょうか?」

「どんなものかはわからないが、きっと何かあるんだろうな。」

「星の洞窟とかあったりして?」

「あったら、ぜひ行ってみたいですわ!」

いつもと同じように、そんな他愛ない会話を交わしているうちに、私達は「星の町」と呼ばれる小さな町に着いた。
一見した所、特に変わった感はないひなびた小さな町だった。



「あれ~?『星の町』にしては、意外と地味だね。
もっと、なんかキラキラしてるのかと思ってたよ。」

サリーの言う通り、この町にはきらびやかなもの等何もなかった。

日暮れ近くになっても、まだ街灯さえ灯っていない。
私達はこの町に一軒しかないホテルにその晩の宿を取った。
この宿にはレストランがなく、町のレストランはあいにく今日は休みで、他には酒場があるだけだという。



「私、今夜は缶詰ですませますわ。」

「私もそうしましょう。」

「え~っ!缶詰?
部屋で缶詰の食事とは情けないねぇ…
退屈だし、町へ行ってみようよ。」

私も缶詰で良いと考えていたが、サリーに誘われ、渋々酒場へ行くことになった。