十五の石の物語

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(あ…そうだ…!これだ…!)


その晩、遅くにサリーは宿を抜け出し、愛の洞窟を訪れた。



(…良かった…
さすがに、こんな時間には誰も来てないや…)

サリーは洞窟の中に入り、そしてまたそっとロードナイトに触れる。

この石を見ると、サリーは無意識に手を伸ばしたくなり、触れるとなんともいえない懐かしい気持ちに浸れるのを感じていた。



(……優しい…
この石は、とても優しいよ…)

サリーの胸は自分でもよくわからないままに熱くなり、溢れる感情は涙となって流れ出す。
それは、まるで湧き出る泉のように、止めどない。
誰もいないから気にしなくて良いという安心感のためか、サリーは流れる涙を拭おうともせず、素直な気持ちに身を任せた。
何か…遠い記憶の断片がよみがえってくるような…
サリーはそんな不思議な感覚を感じた。
だが…それは明確な形では現れない。



(……何なんだろう?この気持ち…)

それは、サリー本人にも理解出来ないぼんやりとしたものだった。

ひとしきり涙を流し、妙にすっきりとした気分を感じたサリーは涙を拭い、そして、ロードナイトに向かって心からの祈りを捧げた。



(どうか、魔石が悪さをしませんように…!
あたしが出来ることならなんでもしますから、どうかレヴの身に悪いことが起こりませんように…!)