十五の石の物語

二人の気持を考えると、私の胸には熱いものがこみあげた。



(二人の気持ちはありがたいが、その好意に甘えて良いはずはない。
いや、だからこそ甘えられない…

だが、今、そんなことを言っても二人が聞き入れるわけはない。

幸いにも、今は指輪がはずれないだけだ。
他に何事かが起きているわけではない。

今は現状維持だ…
森の民の村を探し出し、ヴェールと引き合わせること。
何事かが起きるまでは、ただそれだけを考えていこう…)

私の気持ちは固まった。



「ヴェール、いつもの薬持ってるかい?」

「ええ、ありますよ。」

「ホント、馬鹿なんだから…!」

サリーはブツブツと文句を言いながら、私の傷付いた指に薬を塗り、包帯を巻き直してくれた。



「あんたね、こんなことしてたら、指が動かなくなるよ!
こんなことは二度としないこと!わかったね!
それから、石に何か変わったことがあったら、すぐに言うんだよ。
あんた、馬鹿なんだからどうせまともなことは考えられないんだから、私達にすぐに言うんだよ!」

「……わかった…」



(…何かがあっても、言えるわけなどないではないか…)

心の中ではそう思いながらも私はサリーの言葉に頷いてみせた。



「とりあえず、このことはジネットには黙っとこうね。」

「当然だ…
彼女には関係のないことだ…」

「そうだね。
ジネットには大切な人もいるんだもんね。
そういえば、ジネットの用事って何なのさ?」

「例の方の手掛りがみつかったようです。」

「そっか〜…
それは良かった…!
じゃ、もしかしたら、ここでジネットとは分かれることになるかもしれないね。
あ!これってもしかしたら、愛の洞窟のロードナイトのおかげだったりして?!」

「私も実はそうではないかと思ったんですよ。
本当にあの石はすごい石だったんですね!」