十五の石の物語





レヴに続き、ジネットも一人で出掛けた。



(頑張らなければ!)



ジネットは、奮起して町を行く人に声をかけようと思いつつ、また邪険にされるのではないかという不安がこみあげ、通りすぎる人々をただ立ち尽くして見送るだけだった。



(今度こそ…!
次に来る人に声をかけてみるのよ!)



そう決めていても、いざその人と目があうと声をかけそびれてしまう。
一体もう何人に対してこんなことを繰り返しているのか…
自分のふがいなさにジネットはすっかり気落ちしていた。

何も出来ないまま、神経の高ぶりで疲れてしまったジネットは、近くのカフェで一休みすることにした。

香りの良い温かい紅茶を飲んで身体が暖まってくると、ジネットの気持ちもわずかに落ち着いた。



「あなたも預言者シャルロにみてもらえば良いのに!」

「預言者シャルロ?
何なの、それ?」

「隣町に住んでる人なんだけど、どんなことでも彼にはお見通しなの。
私が彼と結婚することも、ズバリ言い当てたのよ!」

「なんだ、占い師か~」

「占いじゃないわ。
彼は神から不思議な力をさずかった預言者なのよ。」

「本当に当たるの~?」

「百発百中よ!
未来のことでも、探し物でもどんなことだって相談に乗ってくれるわ。」

「隣町のどこ?」

「預言者シャルロの店っていえば、あの町では知らない人はいないわ。」

ジネットは隣のテーブルの若い女性達の話に耳をそばだてた。
聞いているうちに、ジネットの鼓動は興奮で速さを増す。



(……もしかして、シャルロさんってレヴさんがこの間会いに行かれた方なのかしら?
シャルロさんがそんな力を持った人だったなんて……
でも、もしかしたら、シャルロさんに聞けばあの方のことが何かわかるのではないかしら…!)

そう思うと、ジネットはいてもたってもいられない気持ちに襲われた。
宿の者に短いメッセージを残し、ジネットはすぐに隣町へ向かった。