十五の石の物語

町には特別目を引くようなな店があるわけでもなく、二人はしばらく通りをブラブラしていたが、すぐに見るものがなくなり、二人は町の片隅で立ち止まった。



「ジネットさん、昨日行ったばかりですが、また、愛の洞窟の方へ行ってみましょうか?」

「そうですわね。
私もあそこへ行きたいと思っていたところなのです。」

二人はまた愛の洞窟の付近に向かった。
洞窟の前に着くと、恋人同士と思われる男女が出て来る所にちょうど出くわしたた。



「やはり、ここには恋愛のことを祈る方々が多いのでしょうね。」

二人の後ろ姿をみつめながら、ジネットが呟く。



「そうでしょうね…
……あの方達、あんなに幸せそうな顔をして……
ジネットさんも、早くあんな風になれると良いですね。」

「……そうですわね…」

二人は洞窟の中には入らず、洞窟のまわりをただあてもなく歩き続けた。



「あの……ヴェールさんは、サリーさんやレヴさんとご兄弟なんですよね?」

「え!……あ、あぁ…そうなんです。」

不意に予期せぬ質問をされて、ヴェールは戸惑い、焦りながら言い繕う。



「なんだか不思議な感じがしますわ。
まるで似てらっしゃらないように見えるかと思えば、どこかしら似てらっしゃるような気もしますし、深い絆のようなものを感じてしまったり…」

「あ、あぁ……私達はちょっとわけありの兄弟でして……それぞれ別々に育ちましたので……
それに、再会してまだ間もないので私達自身も時々兄弟であることを忘れてしまったりするんですよ。
おかしいでしょう?」

「まぁ、そうなんですの…
それで、不思議な感じがするのかもしれないですわね。」

ジネットが納得したことに、ヴェールは安堵する。