「あれ?ヴェールは?」
「彼なら心配いらない。
それより、君は大丈夫なのか?」
私が手を引こうとしたら、サリーはその手を払いのけた。
「やめとくれ!子どもじゃないんだから!
私なら大丈夫さ!」
「……そうか。無理をせぬようにな。」
私はサリーにあわせ、ゆっくりとした歩調で歩んだ。
それでもサリーの疲労はすでに限界近くに達していた。
時々立ち止まり、息を整える。
さらにしばらくすると、狭い場所にしゃがみこむようになった。
あたりはもう真っ暗だ。
(……困ったことになった…)
サリーを背負って進もうかと私が考えた時、遠くからのヴェールの声が耳に届いた。
サリーもその声で勇気付けられたのか、すっくと立ち上がり、程なくして私達はヴェールと合流した。
「あと少し進むと拓けた場所に出ます。頑張って下さい!
それから、サリーさん、これを!」
暗くて良くは見えない中、ヴェールはなにやら丸くて小さなものをサリーの手の平に乗せた。
「そのまま食べて下さい。」
「何?これ?」
「元気が出る木の実ですよ。」
ヴェールに言われるままに、サリーは木の実を口に放り込んだ。
「すっぱーーーい!!」
サリーは泣きそうな声を上げ、あわてて水を飲み、酸っぱい木の実を流し込んだ。
「ひどいよ、ヴェール!
こんなに酸っぱい木の実だなんて!」
「でも、この木の実は昔から元気が出る実だと言われているのですよ。」
「本当かい?
あぁ〜、まだ口の中に酸っぱいのが残ってるよ!」
サリーはぶつぶつと文句を言っていたが、言い伝えは本当だったらしく、その後のサリーは少し元気を取り戻した様子で順調に歩くことが出来た。
「彼なら心配いらない。
それより、君は大丈夫なのか?」
私が手を引こうとしたら、サリーはその手を払いのけた。
「やめとくれ!子どもじゃないんだから!
私なら大丈夫さ!」
「……そうか。無理をせぬようにな。」
私はサリーにあわせ、ゆっくりとした歩調で歩んだ。
それでもサリーの疲労はすでに限界近くに達していた。
時々立ち止まり、息を整える。
さらにしばらくすると、狭い場所にしゃがみこむようになった。
あたりはもう真っ暗だ。
(……困ったことになった…)
サリーを背負って進もうかと私が考えた時、遠くからのヴェールの声が耳に届いた。
サリーもその声で勇気付けられたのか、すっくと立ち上がり、程なくして私達はヴェールと合流した。
「あと少し進むと拓けた場所に出ます。頑張って下さい!
それから、サリーさん、これを!」
暗くて良くは見えない中、ヴェールはなにやら丸くて小さなものをサリーの手の平に乗せた。
「そのまま食べて下さい。」
「何?これ?」
「元気が出る木の実ですよ。」
ヴェールに言われるままに、サリーは木の実を口に放り込んだ。
「すっぱーーーい!!」
サリーは泣きそうな声を上げ、あわてて水を飲み、酸っぱい木の実を流し込んだ。
「ひどいよ、ヴェール!
こんなに酸っぱい木の実だなんて!」
「でも、この木の実は昔から元気が出る実だと言われているのですよ。」
「本当かい?
あぁ〜、まだ口の中に酸っぱいのが残ってるよ!」
サリーはぶつぶつと文句を言っていたが、言い伝えは本当だったらしく、その後のサリーは少し元気を取り戻した様子で順調に歩くことが出来た。



