十五の石の物語

「旅は大勢で行く方が楽しいもの。
それに、ジネットさんには大変お世話になりましたから、私達で何か出来るならお手伝いさせていただきますよ!
レヴさん、それで良いですよね!」

「ヴェール……しかし、それでは…」

「そうだよ、もしヴェールの秘密がバレちゃったら、どうすんのさ!」

「私なら大丈夫ですよ。
バレないように気を付けますし…
バレたらバレたで良いではありませんか。
私が森の民であることは事実なのですから…」

「しかし……」

開き直りとも思えるヴェールの余裕のある笑顔を見ては、私も強く反対することは出来なかった。



「そうか。やっぱり、ジネットさんはあんたのことを知らんのじゃな。
そうじゃないかと思ってわしも黙っとたんじゃ。」

「お気遣い、どうもありがとうございます。フランツさん。
……それで、ジネットさんは今どこに?」

「どういう返事がもらえるかわからんかったし、悪い返事であの娘さんが落胆するのもかわいそうじゃと思うてのう。
彼女はこの先のベンチに待たせてあるんじゃ。
ダメだったら『会えんかった』と言おうと思って、それでわし一人で来てみたんじゃ。」

「おじいちゃん、優しいんだね!」

「まぁな!
あの娘さんと一緒におったのはほんの数日だけじゃが、とても良い娘さんのように思えてのう。
良い返事がもらえてわしもほっとした。
ずいぶん待たせてしもうたから心配しとるじゃろな。
急いで帰らんとな!」

そう言うとフランツは早足で山を駆け下りて行った。
私達も息を切らせながらその後に続く。



「しっかし、元気なおじいさんだね。
あたしよりずっと元気だよ!」

フランツのおかげで、私達は来る時よりもずっと早く戻ることが出来た。>