十五の石の物語

確かにたいした食事ではなかったが、新鮮な野菜サラダやうみたて卵のオムレツはそれだけで十分満足させる味だった。



「おじいさん、この野菜すごくおいしいね!
でも、畑仕事大変じゃないの?」

「畑仕事なんて、なんてことありゃせんわい。
まだまだそこらへんの若いもんには負けんぞ!」

「たのもしいね~!そんな元気だったら、長生き出来そうだね!」

「もうかなりの長生きだがな!」

「……おじいさんって一体いくつなのさ?」

「確か、今年で138歳じゃ!」

「138歳?それはすごいや!」

老人になっても…そして男性であっても年齢を明らかにするのは嫌なものなのか?
言いたくないものをあえて聞く必要もないと私は思っていたが、サリーも同じ考えだったらしく、冗談で返した。



「ところで、聞きたいことというのは何かな?」

「……実は私は先程申した通り、各地の伝承を研究しておりまして…
ある所で、『森の民』という者達のことを聞いて大変興味をひかれたのです。」

「森の民とな……」

老人の顔から唐突に笑みが消えた。



「もしや、森の民についてなにかご存じなのですか?」

「知ってるともさ。
……彼らはただの伝説なんかじゃありゃせん。
本当におるんじゃ。」

「なんですって!?」

私は大袈裟に驚いたふりをした。