十五の石の物語





「あら、もう目が覚めたの?おはよう。」

「おはようございます。
すみません。昨夜はすっかり眠り込んでしまって……」

「そんなこと、構わないのよ。
それより、あの娘さん、熱が下がりましたよ。」

「そうですか!ありがとうございました。
本当に何から何までお世話になってしまって…」

「本当によかったわ。」

私がサリー部屋にいくと、部屋の前でジネットに止められた。



「まだ眠ってますから、静かに……」

私は扉の外から、そっとサリーの様子をうかがった。
サリーは静かな寝息を立てて熟睡している。
音が立たないように気を付けながら、私は安心して扉を閉めた。



「ジネットさん、本当にお世話をおかけしました。」

「たいしたことではありませんわ。
あの様子では一週間もすればきっと元気になられますわ。」

「一週間!」

「お急ぎの旅なのですか?」

「いえ…そうではないのですが…そんなに長い間、お世話になっても大丈夫なのでしょうか…」

「私がこんなことを言うのもおかしいのですが、全然構いませんわ。
そんなことを言われたら、私なんてもっとずっと長い間、ここにお世話になってるのですから…」

「そんなに長いのですか…?」

「えっ?…えぇ…
あ、すみません。
私、食事の準備がありますのでこれで… 」



(…何か、いけないことを聞いてしまったんだろうか…?)



ジネットはそそくさと台所の方へ走り去った。

心苦しいのは山々だが、今、サリーを動かすわけにはいかない。
私とヴェールも、倒れこそしなかったものの、かなり疲れていたことは否めない。
私は、今は素直に二人の好意に甘えさせてもらうことにした。