十五の石の物語

「どうぞ。」

私達は差し出された水を飲み干した。



「とてもおいしい水ですね。」

私がそう言うと、ジネットは嬉しそうに…そして、どこかおかしそうに笑った。



「実は、この水はおいしいだけじゃないんですよ。
この水は『幸せの水』なんです。」

「…幸せの水?それは一体…」

「その理由は、また、いつか……でも、とても良い水なんですよ。
これを飲んでたらあの女性もすぐに回復しますわ。」


その水は本来サリーのために汲んできてくれたものだろう。
「幸せの水」とは、どういうことなのかはわからなかったが、女性達がその水のことをとても信頼していることははっきりと感じられた。



「あの娘さんのことは私達に任せて、今夜はゆっくり休んで下さいね。」

サリーを助けてもらっただけではなく、食事をさせてもらいさらに泊めてまでもらい、その上、サリーの看病までしてもらってはあまりにも申し訳ない。
そう考え、私とヴェールは少し休んだら順番にサリーの様子を看ようと決めていたのだが、疲れがたまっていたのか、二人共気付かないうちに朝までぐっすりと眠りこんでいた。