十五の石の物語

「つまり、理由ありの旅なのね…」

私は返事の代わりに静かに微笑んだ。



「……ところで、マダムとジネットさんは…」

「どういう関係か?…ってことね。
親子でないことは一目でわかるわよね。 」

「それは私がお話しますわ。」

ちょうどそこへ戻ってきたジネットが席に着いた。



「……とは言ったものの…なんとご説明すれば良いのかしら…?」

ジネットが年配の女性に救いを求めるような視線を投げかける。



「親代わり…で良いのではないかしら?」

「そうかもしれないですわね。
……実は私もあなた方と似たような境遇だったのです。
ある事情から旅をしていたのですが、あなた方と同じく何日も山を歩き続け、やっとの思いでここまでたどり着いたのですが、そのまま倒れてしまって…
マリアさんはその私を助けて下さっただけではなく、そのままここに住まわせて下さったのです。」

「そうだったのですか…
立ち入ったことを聞いてしまって申し訳ありません。」

「いえ、そんなこと…構いませんわ。」

「あなたはどこへ行かれる途中だったのですか?」

「……それは…」

「この娘もあなた方と同じく、理由ありの旅なの…」

「すみません…」

「そんなこと、どうでも良いじゃないの。
あ、ジネット、あの水をこの方にも差し上げたらいかがかしら?」

「そうですわね!」

ジネットは嬉しそうな顔で立ち上がり、すぐにグラスに冷たい水を注いで持って戻った。