十五の石の物語

「美しい女性だな…」

「そうですね。」

ヴェールはどこか照れたような様子で答える。



「しかし、とても日に焼けているようだが……
どこか暑い国に住んでいたのだろうか?」

「そうなのかもしれませんね。」

「もう一人の女性は…」

「親子…には見えませんね。
あまりにも似ていない。」

「やはり、君もそう思ったか…
どういう関係なのだろうな?」

温かいカモミールティーがゆっくりと私の身体に染みみこんで行く…
甘い香りが部屋の中に広がり、疲れを忘れさせ、落ち着いた気分に変えていく。



「お待たせ致しました。
こちらへどうぞ!」

食卓にはおいしそうな料理が、温かな湯気を立てて待っていた。



「お口にあえばよろしいのですが…」

料理はどれもとても良い味のもので、私達は遠慮も忘れて食べ続けた。

年配の女性は一緒にテーブルに着いたが、ジネットはどこかへ行ってしまった。



「皆さんは、どこへ向かって旅をされてるの?」

「どこへ…というわけではないのですが…」

「自由気ままな旅ということかしら?」

「……それが…そういうわけでもないのです……」

どう答えれば良いか、疲れた頭では咄嗟に思い付かず、私は曖昧に笑ってその場を誤魔化した。