私達は光の途を歩いて行く。
横一列に並ぶとやや狭く感じるその途は、本当に地上の途なのか…

もしや、ここは本当は天上なのではないか…?
この途からはずれたら、真っ逆さまに地上にたたきつけられてしまうのではないのか…?

そんな錯覚に陥ってしまう程、その途は美しく幻想的に輝いていた。



しばらく歩いているうちに、不意に光の途が途絶え、その先に空気のゆらめきのようなものが、ぽっかりと浮かび上がる。



「……これが南の森への入り口なのだろうか…?」

「……おそらく、そうでしょう。」

「じゃ、入ろうか?」

息を飲んで立ち止まる私とヴェールの前で、サリーは事も無げにそう言ってのけた。



「……しかし…絶対にそうだとは言い切れないのだぞ。
とんでもない所へ飛ばされたり、予想しもない事が起きるやもしれないのだ。」

「バッカじゃないの?
レヴだってアランの奥さんの話、ちゃんと聞いただろ?
ここは間違いなく、光の途だよ。
だったら、この先にあるのは南の森に決まってんじゃん!」

「アランさんの話が本当だと言う確証はない。
いや、当時はそうだったとしても、今は何かが変わっているってことだってあるのだぞ。」

「じゃ、ここまで来て引き返すとでも言うのかい?」

「そうではない。
ただ……」

「あぁ〜、うざったい!
どいた、どいた!
大丈夫かどうか、あたしが見てきてやるから、あんたらはここで待ってると良いさ。」

私は、そう言って前に進み出たサリーの腕を掴み、多少手荒く後ろへ突いた。



「やめろ!
……私が行く!」

そう言い残すと同時に、私はゆらめく空気の中へ飛びこんだ。



「レヴ!!」