目の前に光の途が現れたのだ…!
私のみつめる中、ぼんやりとしたほのかな灯りがだんだんと明るい光に変わって行く……



「……これが、光の途…」

その不思議な光景に見とれていた私は、はっと我に返り、呼子を吹いた。
呼子の甲高い音が、澄んだ空気の中を走っていく。



光の途のすぐ傍で、私は何度も笛を吹き、二人が来るのを待ちきれない想いで待った。
今にも光の途が消えてしまうのではないかと、気が気ではない。



(来た!!)



二人の姿をみつけた私は、光の途のすぐ傍で大きく手を振った。



「こ、これが、光の途…!?」

「間違いないだろう。」



私達は恐る恐る光の途に近付いた。



「石だ…!」

目を凝らして見てみると、光っているのは、石だということがわかった。
満月の光にだけ反応する不思議な夜光石……



この光る石の先に、森の民の住む場所がある。
そこでどんな事が待ち受けているのか……それはまだ誰にもわからない。



「行こう!」

私達は光の途を歩き始めた。
まるで、地上の天の川のような光の途……
希望と不安を胸に抱き、ゆっくりと歩き始めた……



***

地上に現れた天の川…
光の道しるべが彼らを誘う先に待ち受けるものは、闇か光が……?



7.透輝石〜fin