十五の石の物語

「……俺がまだガキの頃の話だ。」

フィリップはゆっくりと石について話し始めた。



「きっかけはどうだったか忘れたが、俺に一人の友達が出来た。
そいつとはすぐに仲良くなり、やがてお互いの家に遊びに行くようになったんだ。
ある時、そいつは親父さんの持ってる『宝物』をこっそり見せてくれた。
箱の中には綺麗な石がたくさん入っててな。
その中でも俺はこの石のことがものすごく気に入ってしまったんだ。
なんだか、俺にはこれがお伽話に出て来る魔法の石みたいに思えてな……
そいつの家に遊びに行く度に、俺はこの石をこっそりと見せてもらうようになった。
それからしばらくして、そいつは俺のためにこの石を持ち出して持って来てくれたんだ。
友達の印にこれを俺にくれるって……もちろん、親父さんには黙ってやったことだ。
石をもらえたことは嬉しかったんだが、これを持ち出したことがバレたら親父さんになんて怒られるかしれねぇ。
俺も友達もだんだん怖くなって来た。
そして二人で相談して、ここへ持ってきて埋めることを思いついたんだ。」

「そんなことが……
お二人はこのお近くに住んでらっしゃったんですか?」

「いや、ずいぶんと遠くさ。
だが、ここへは友達の親父さんについて何度か来たことがあったんだ。
水晶はお守りの石だと聞いたことがあったから、ここに埋めておけば誰にもみつからない…なんて俺達は考えたのさ。
なんせ子供の頃の話だからな。」

「でも、本当に今までみつからなかったわけだね!」

「……そうだな。
言われてみりゃあその通りだ!」

フィリップは、サリーの言葉におかしそうに膝を叩いた。



「ところで、これ、なんて石?」

「その時は俺も知らなかったんだが、どうやら『ダイオプサイト』ってやつらしい。」

「ダイオプ…なんだって?
なんだか難しい名前だね。」

サリーは、石を眺めながら首をひねる。