十五の石の物語

次の朝、私達はフィリップと共に採掘場を目指して出発した。



「ねぇねぇ、フィリップ、採掘場に何があるのさ?
気になってることって、何なんだい?」

「着いたら教えるよ。
……いや、みつかったら教えることにするかな。」

「みつかるってことは、何かが採掘場にあるのかい?」

「それは今はまだ言えねぇな。」

「なんだい。気になるなぁ~…」

「つまんねぇことなんだ。
きっとみつからないさ。」


採掘場へは次の日の夕方近くに着いた。
距離的にはほぼ思った通りだったが、本道から少しはずれているため、フィリップがいてくれなかったら多少迷ったかもしれない。
鉱山の入り口はフィリップの言っていた通りに閉鎖されていた。
そこから少し離れた所に鉱夫達が寝泊まりをしていたであろう粗末な小屋があった。
長い間、捨て置かれていたせいでだいぶ荒れてはいるが、ベッドもある。
私達は今夜はそこに泊まることにした。



「汚いけど、野宿よりはマシだね。」

「そうですね。あっちにはテーブルや椅子もありますよ。」

「そういえば、フィリップ…探し物は?」

「今日は疲れた…しかも、もう暗くなって来たから明日にするさ。」

「何を探すの?」

「明日教えるよ…」

フィリップはそれだけ言うと、悪戯っぽい笑みを浮かべた。




やがて夜が更け、ランプはあったが、肝心な油がなかったため、私達は仕方なくは早めに休むことにした。


天上に浮かぶ月はほとんど丸に近い形になっていた。
明日あたり、美しい満月になるだろう。
その時にどんなことが起きるのかと、好奇心がうずきだす。



(満月の夜…光の途……)


どんなものかもわからない。
それが、どんな風にして南の森に導いてくれるのか…
そして、ヴェールと同じ種族の森の民……
まるで夢か幻のようなことをこれから体験するのかと思うと、私は興奮してなかなか寝付けなかった。