十五の石の物語

サリーはそれ以上、何も語ろうとはしなかった。
触れられたくない事なのだと悟ったヴェールは、あえて追求はしなかった。
人間誰しも言いたくないことの一つや二つはあるものだ。
そういうことは、本人が話したくなるまで聞かないでおこう…
ヴェールにはその気持ちが誰よりもよくわかるからこそ、何気なく話題を変えた。



「どうしましょう…?このままもう少し待ってみますか?」

「……レヴはきっと一人で話を聞き込みに行ったと思うんだ。
だけど、何かわかったにしてもわからなかったにしても、こんな遅くまで帰って来ないなんておかしいよ…!
この街にはならず者もいるだろうし、もしかしたらそんな奴らに…」

「まさか…!」

「レヴの身なりを見れば金持ちだってことはすぐにわかる。
それに、レヴは人のことを疑わない…
お坊っちゃまだからこの世には悪い心を持った奴がごろごろいることを知らないんだよ。
きっとそんな奴に騙されて…」

サリーは唇を噛み締め、華奢な身体を震わせた。



「サリーさん、レヴさんは確かにそういう人かもしれませんが、むやみに騙されるような愚かな人ではないと思いますよ。」

「じゃ、なんでこんな遅くまで帰ってこないのさ?」

「……それは…」



ヴェールに口篭もり、そのまま黙って俯いた。