VALEN-TINE

「ねぇっ!?ひなたは全然バレンタイン考えてないの?」

いきなり身を乗り出して言ってくる茅莉乃。

「えっだって明日じゃん、、」

あたしはとっさに右手を顔の前で左右に振った。
意味としては、明日だから無理無理、っていう感じ。

「でも、がんばれば間に合うのにね、ひなたって努力しない↓」

「すぐ、あきらめちゃうし、やな性格だよ?」

あたしははぁとため息をついて茅莉乃を見た。
彼女はまっすぐ公園を見つめ、ボーっとした。

「茅莉乃?」

「えっあっゴメン↓あたしもいろいろ」

何か悩みを抱えてる顔。
あたし、こういうの、本当にほうっておけないんだよ。

「大丈夫?数矢のこと?」

茅莉乃が俯いたので、慌てふためいてゴメンと謝った。
どうしたのよ、茅莉乃らしくない。