VALEN-TINE

他人が、幼馴染いいなぁ・・なんていっておいて、
その人が幼馴染を経験して、
同じスランプに陥ったのなら、そんなあいまいでわかりきったような事いえない。
あたしさっきからわかりきったような事しか言ってない。
けど、1つもわかってないんだ。
気を使って、いい言葉を並べて。
自分が思ったとおりに口を動かして。
自由すぎて、相手を傷つけてしまったのかな。
しまっているんだ、きっと、知らぬうちに。

「幼馴染、いいなぁ。」

それでもでてしまう、茅莉乃への屈辱が。
茅莉乃はなんて、こんなひどいあたしに言ってくれるのかな。

「でっしょー??これが一つの特権なんだ♪だから大変なことも、少なくないんだけど。」

思ったとおりの答えが返ってきて、なんだかため息がでた。
何?えっ!?自慢だめだったかな?と焦りながらいう、茅莉乃。
別に、と俯いてそっぽを向いた。