VALEN-TINE

「ひなたーー!!あっ起きてる!」


礼花はこいこいと手招きをする。
あたしはわざと首をかしげて礼花のもとに行く。


「何よぉ↓あれ、詩音。」

かなりわざと。あー、礼花。気づいてたらやばいなぁ。
あたしが本当に、詩音を好きみたいじゃない。

「よっ!あのさぁ、500円かして。」

??はぁ~???なんでいきなり、500円!

「なんで礼花に頼まない!ここにいるのに!」


「はぁ?頼みにくいだろ。松本になんか。」


「なんかあたしじゃぁいいみたいな言い方しないでよ!」


「あぁ、そうだもん。お前だからいいんだよ!」


取っ組み合いの喧嘩みたい。
ていうかぁ、なんで礼花に頼まないんだよ!
いかにも礼花が女の子らしいからか!そうだろー!!

はぁ。
あたしの小さなため息が馬鹿みたいな喧嘩を止めた。
それは喧嘩がいやだからとかじゃぁなくて。
あたしじゃぁ認められてないみたいで・・・さ。


頼みにくいんじゃなくて、借りづらいんでしょ、詩音。