VALEN-TINE

やっぱり思う。

きっと礼花は心のどこかであたしの気持ちに感づいてるんだ。って。

なんだかあの礼花の目は、忘れられない。
忘れてはいけないような気がするの、あたしの中で。



「ほーい、じゃ授業終わるぞ。」


先生の声がほんのりと聞こえた。
あたしは机から頭を上げて、礼花のほうを見た。

あれ、いない。

あたしは自分のいすから立ち上がって教室をキョロキョロと見渡した。
黒板・・先生の机・・生徒の机・・ドア・・ん?ドア!
はっと気づいてドアをのぞくと礼花とアイツ。
耳を澄まして2人の会話を聞く。


「詩音くんてさぁ~明日何の日か知ってる??」


「え?!あーバレンタインとかゆー。」


「そーそー!やっぱさ、甘い系がいいの?それともビターとか?」


チョコの話か。あたしには関係ないや。
でも・・・気になるっっ!
アイツってどんなのがすきなの??