VALEN-TINE

どうしよう、本当に好きになってきた。
けど・・・
チラッと礼花を見る。
まだ俯いたまま。どうしたらいいの?あたし。



ちょいちょいと手で表し、礼花の目線をこちらに向けようとする。


「おいおい、礼花。気づけーーー!!」


小さな声でいった。歯を食いしばりながらにらみつけるように礼花を見る。
礼花はこちらに気づいたようで、


な、に、


と口パクであたしに伝えてくる。
だからあたしも対して口パクで返す。


は、な、し、あ、る、


うんうん、とうなずく礼花。
あたしは大きく息を吸った。