リコリス燃ゆる




「だから僕は君を殺すよ!

異端者として、『仲間を殺した敵への復讐』のために君を殺すよ!」



「頭がいいんだか悪いんだか。
単細胞だなお前の思考は」


「いいんだ、構わない!
僕は生きている!」




男の刃は純粋に俺の心臓を狙ってくる。

そのたびに退かれても、刃を落とされても一向に動じることはなく。



本当に頭にくる。

たかが生きる快楽を求めるのに付き合わされていると思うと、殺意が増して気が狂いそうになった。



男はただ純粋に叫んでいるんだ。

生きていると。



所詮は生を実感するための手段でしかなく、生きたいと思うことさえ快楽求め。


下らないと心底思った。



「悪いがお前の理由にされたままではいられない。

俺は忙しいんだ」



言って、繰り出すことをやめない男の短刀を手首ごと切り落とした。



「ああっ!」



痛みか嘆きか、男の声は不安定に飛んでゆく。

俺はそのまま男の腹を剣で撫で、男は散らばる死体と同じく倒れ伏した。



ごぼっ、と男の口から血が溢れてくる。