山城は続ける。


「知ってるだろ?小惑星の名付け方。」


 勿論知っている。


 昔、朔夜と、夢物語のように語り合ったことだ。


「ま、だからそういうわけで頼むわ。俺が持つコネを最大限利用して貰ってきた仕事だからね。

しっかりやってくれよ。」

 そう言って、山城は僕を置いてふらつく足取りで店を出て行った。


 奴もすっかり、酒に弱くなっている。


「この酔っぱらいが。」


 誰にともなく、僕は呟いていた。